「職場の隣の席の男の子、最近仕事の失敗ばかりで、課長に怒られ、しょげたり、イライラしてるのが、傍から見ててもわかって心配していたんだけどお、この2,3日、すっかり明るくなっててえ、どうしたのかなって思って、なんか気になってそれとなく観察していたら、1時間おきくらいに、机の中から黄色い小さな箱を取り出して、それに指を突っ込んで10分くらい遊んでるの。
そしてすっきりした顔になって、その箱を机に大事そうにしまってから、また仕事を再開するんですよ。
その箱、なんだか気になってしようがないんだけど、その子の表情が人を寄せ付けなくて、聞くに聞けない雰囲気なわけ。
で、ある時、その子が課長に怒鳴られたあと、また、その箱に指をつっ込んで30分以上、ゴニョゴニョやって、やっと、その箱を机に戻してから、お得意様のところへ出かけた隙に、ついに、こっそりその机の中を見たのよ、わたし。
黄色い、まあ言ってみれば大きめの“たまごっち”みたいで、液晶は時計なのね。で、私がいつもその子がやってるように、穴に指を突っこんだら、液晶画面が突然切り替わって、ものすごい顔をしたパンダが私の指に噛みついてきたのよ。で、ぎょっとして指を引き抜こうとしたんだけど、間に合わなかったの。
それでなんだよね、わたしのこの小指、第一関節からなくなってるわけは。
怖いよね、世の中って」
お前じゃ、怖いのは(笑)
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